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What’s up京造

〜女子編〜

オープンキャンパスだけでは分からない、学生の本音を語ってもらいたい! 受験生に京都造形芸術大学の魅力を知ってもらいたい! という思いから立ち上げた本企画、「What’s up京造」! 二日目は女子編。学科も学年も違う五人の学生に、熱い思いを語ってもらいました。​

出演

 

情報デザイン学科 先端表現デザインコース

関口 樹さん

 

情報デザイン学科 先端表現デザインコース

眞名井 はるかさん

 

こども芸術学科 こども芸術コース

西谷 美緒さん

 

芸術表現・アートプロデュース学科 

アートプロデュースコース

中條 有里さん

 

歴史遺産学科 文化財保存修復コース

稲田 有紀さん

 

司会:津田智子、村瀬友理

 

各学科のユニークな授業

津田:本日の対談では、オープンキャンパスだけでは分からない学生生活の本当のところを聞き出そうと思っています。それぞれの学科で行われているユニークな授業について聞かせてください。

関口:私は、情報デザイン学科先端表現デザインコースで学んでいます。以前、授業の中で紙コップを三つ使って上から卵を落としても卵が割れないようにするという課題が出たんです。

眞名井:先端表現デザインコースの恒例授業ですね。

関口:はい。私の班は卵を二十五mの高さから落としても割れませんでした。

眞名井:私の班は、最後の最後に気を抜いてしまって、割れてしまいました(泣)。先端表現デザインコースは総合技術といった感じで、写真や映像もしますし製本もしますが、インスピレーションや考え方の幅を広げる授業が多いです。例えば、家や学校とは何かをディスカッションし、再定義した上で作品にして問いかけています。家とは、ただの建物でもいいし帰りたくなる場所でもいい。芸術とデザインという物を区別しないで、まず考えてからそれがどういう物なのかを探ることから始めるという授業です。

西谷:私は今こども芸術学科の二年生なのですが、一年生の時の造形表現という授業が印象に残っています。子どもの心に戻ろうという授業で、先生が持って来た大きな氷を指で貫通させたり、かき氷にして食べたりします。その他にも、凧を作ったり、こども芸術大学で歌の発表をするものです。そもそも、こども芸術学科は保育士になるための学科という認識の方が多いと思いますが、子どもとコミュニケーションも取れるし、勉強というより勉強につながる遊びをしているようで楽しいです。

中條:ASPⅰ学科は芸術大学にしては珍しく、作品制作をしません。河原町三条(京都市中京区)にあるARTZONEというギャラリーの企画・運営を学生が行っています。一年間先輩たちから基礎を学びます。私の場合は二年生になってから、写真家の方に声をかけさせてもらい、展覧会の企画をやらせてもらいました。色々勉強になる反面、苦労や葛藤もあります。しかし、企画・運営をした展覧会をお客さんに見ていただいて、いろんな感想を聞かせてもらうことができ、とてもやりがいを感じました。また、今は八月四日からこどもたちを対象として行う「あそなび(あそびとまなびのばぁ〜)」という展覧会を企画していて、こども達を対象として行うので、こども芸術学科の人たちともARTZONEで関わっています。このように、いろんな人たちと関わりながら展覧会を作り上げるという事、また皆様が作った作品を、どうやったらより良く見せることが出来るかという事を学んでいます。作家さんがどういう意図で作品を作っているのか等を考えたりもするので、すごく勉強になります」

稲田「歴史遺産学科の授業の中で私が一番楽しかったのは、フィールドワークという授業です。お寺や神社、職人さんの工房等を見学させていただくのですが、やはり写真や教科書で見るのと生で見るのとは全然違っていて感動があります。先生方も、とても細かい説明や解説をしてくれるので、楽しいです。

津田:やはりどの学科も興味深い授業がありますね。

 

他学科との交流はしないと損!

津田:京造では、マンデープロジェクトⅱや企業と取り組むリアルワークプロジェクトⅲ、ウルトラプロジェクトⅳ等様々な試みを行っており、他学科との交流も盛んですが、他学科との交流を通して感じたことを教えてください。

眞名井:私は他学科との交流はしないと損だと思います! 

関口:そうですね。例えば、マンデイプロジェクトや各プロジェクトに参加し、全く違う学科の人たちと、授業や制作についての話をしたり、毎日色んな刺激を受けていますね。

眞名井:マンデープロジェクトでは、全学科のありとあらゆる人達と出会えるし、学科特有の話も聞けるので、お互いに勉強になることも多いです。マンデープロジェクトだけではなく、他のプロジェクトでも多くのことを学べます。私と関口さんは「kyoohooプロジェクト」ⅴという、京都の伝統工芸品の商品開発をするプロジェクトに一年生の時から入っていて、今も死にものぐるいで頑張っています。外部の方や企業さんとの連携や、自分でこういうのを作ってみたいという願望を叶えられる場が京都造形芸術大学にはあるので、頑張ろうと思っている人はプロジェクトに参加すると絶対に自分のためになります。実際、忙しくなりますが、それって幸せなことなんです。大学は、暇なのが悲しくなってくる位の方が絶対充実していると思います。

西谷:私は今、粟田神社の神様達をねぶたで作るというプロジェクトⅵをやっています。マンデープロジェクトでは、最終的にねぶたを作るのですが、それを続けたくて入りました。マンデープロジェクトをやっていたら、どの学科にも沢山友達ができるんです。友達の輪を広げると、色々助けてもらえます。課題の期日が間に合いそうになくて人手が足りない時、マンデーで仲良くなった友達を引っ張ってきたら、すぐに三十人くらいは余裕で集まります。人の輪が広がるのはプロジェクトを通してでも、マンデーを通してでもこの大学だからこそだと思うので、プロジェクトには皆さんぜひ参加してほしいです! 

稲田:私は地域の活性化プロジェクトⅶをやっています。入ったきっかけは一年生の時のねぶたがすごく楽しくて、また色々な人と活動がしたいと思い、皆で協力して作業することが多いプロジェクトに入りました。ですが、それだけでなく社会人の方と接することも多いので、すごく勉強になります。

津田:社会人の方との交流によって考え方が変わったりしますか?

眞名井:私たちのプロジェクトはクライアントである企業から課せられた課題をどうデザインするかという主旨のプロジェクトなので、社会に即した活動ができます。企業の仕組みについて色々と学ぶことも出来るので、三年後の就職にも役立つと思います。「地域の人達の話を聞いてその人達のために何かをしてあげたい」とか、「ねぶたを作り続けてみたい」とか、自分がやりたいと思える何かが絶対あると思うので、経験しておいて損はないです。

津田:技術面以外にも学べることが多いのですね。とても勉強になる活動、皆さんも入学したらやらないともったいないですよね。

 

この大学に入ったからこそ自分が変われた! 

津田:この大学に入ったからこそ自分が変われたなと実感できた瞬間のエピソードを教えてください。

関口:私はまだ入学して三ヶ月ですが、入学前は人見知りをすることが多く、人前で喋るなんてまずありえませんでした。そういう自分を変えたいと思って、プロジェクトに参加したというのもあるんですけど、三ヶ月で自分がここまで喋れるようになったというのは信じられません。京造だからこそ出来るというチャンスがあり、色々な事に参加して、たった三ヶ月でも人は変われるんだなと気づきました。

眞名井:私は、夏のコミュニケーション入学の一週間くらい前に京都造形芸術大学に進路変更をしました。中学・高校は芸術関係の学校でずっと絵を学んでいて、先生に勧められるまま他の大学を受験しようと思っていました。自分の目で確かめずに、先生が言うからそこにしようという考えでした。ですが、高三の時に色々な所を見に行こうと思い、夏休みの間に色んな大学に行ってみたのですが、京造にはここにしかない事があると分かり、その事にとても衝撃を受け、受験を決めました。もともと喋るのは得意だったんですが、うまくまとめる事ができず、伝えたい事を伝えられない人でした。ですが、ここへ来てからは出来るようになり、人って短い時間でこんなに成長できるんだと今とても実感しています。

西谷:私は田舎っこなので現代の美術とか、面白い物に衝撃を受けやすいんだと思うのですが、この学校がキラキラして見えてしょうがなかったです。階段の真ん中から木が生えているし(笑)。入ったらそりゃあ珍しいプロジェクトをしてみたいし、先生や友達に何かやってと言われたら、「もちろん」と即答で引き受けていました。そうするとすごく忙しくなって、色々なことを引き受けすぎて、自分一人の力では手に負えず、中途半端になってしまったことがあったんです。その時に、すごく落ち込んでいたら夜十時とかになってしまって。でも帰り道、空を見たらすごくきれいだなと思えたり、友達が優しい言葉をかけてくれたりしたら素直にありがとうと言えたり……大学に入ってから、ふとしたことで幸せを感じることが多くなりました。

津田:それすごく良いですね。

西谷:友達の言葉や、きれいだなと思った景色を見て、キュンキュンってなる。私はキュンキュンがこの大学に入って増えたと思います。

中條:私は長野県の普通高校から京都造形芸大に進学しました。最初はあまりアートに興味がなかったんですけど、いろいろとデザインの事も勉強していきたいなぁと思ってこの大学に入りました。長野にいた頃は、人より少しうるさくて元気な女の子だったんです。でも、こっちに来て、ARTZONEでアーティストさんや、他大学の人とも関わって、色んな話を聞いて、勉強になる事も多いし、自分でアクティブに動くことが多くなりました。プロジェクトをやってる人達と同じように年中無休で動いたり、夜遅くまですることはすごく大変で、引きこもりたくなる事も、時々はあります。でも、やっぱり外に出たくなるんです。実力も何も分からない私が一年間で少しデザインがいじれるようになったり、展示の事を学べたり、色んな人と仲良くなれるぐらい、京造は色んな出会いや、仲良くなるきっかけが沢山あるので、本当に楽しくて、自分がもっと元気になったり、明るくなれるんです。

眞名井:自分が消極的だなって思って自信がない人でも、それを支えてくれる人が絶対いるんです。夜十時までいてくれる先生もいらっしゃいますし。これをやりたいけど、その仕方が分からないという一年生なりの悩みでも、「それは三年生がやる事だから」とか言わずに教えてくれるんです。「内緒だよ」って言われたりする事もあるんですけど、本当に自分がやりたい事や表現したい事を叶えるための技術を教えてくれたり、気持ちを熱くさせてくれる場所だと思います。

津田:技術以外にも気持ちの面で教えてくださる先生も多い。本当にそうですよね。

稲田:私は高校の時、消極的な性格でした。その頃の自分だったら、プロジェクトにも参加してなかっただろうし、こういう場にもいなかったと思うので、その頃に比べると積極的になれたと思います。ねぶたやプロジェクトをやってきて自信がつき、色々な事をやろうと思えるようになったんだと思います。

津田:私も実は、稲田さんと同じように消極的な性格でした。ですが、この大学に入って私自身も変わることが出来ました。私や五人のように、京都造形芸術大学に入ったみんなが何かしら成長を遂げているのではないでしょうか。

 

津田:オープンキャンパスだけではわからない、この大学に入ったからこそこういう事を学べる、こういう自分になれるということを五人が語ってくださいました。本日は本当にありがとうございました。

今回の対談には、本学の学生たちの熱い思いがつまっています。しかし、この対談で語られた本学の魅力は、ほんの一部にすぎません。この大学の本当の魅力は自分たちで見つけるもの。自分の行動次第ですてきな学生生活を送れるということ事を彼女達は伝えてくれました。(村瀬友理)
What's up 京造(男子) イベントの様子

イベントの様子

ⅰArt Studies and Clutural Production

ⅱ京造の1年生必修の授業。入学直後の前期毎週月曜に行われる「ベーシック・ワークショップ」と、9月に10日間で与えられたテーマをもとに「京造ねぶた」を制作する「グループ・ワークショップ」からなる。

ⅲ学科・学年を超えたプロジェクトチームで、企業や自治体の皆様から寄せられる様々な仕事に挑む教育プログラムの一つ。

ⅳ全学科の学生が使用できる“世界基準”の共通工房。世界の第一線で活躍するアーティストやデザイナーが行う実践型「ウルトラプロジェクト」が常に行われている。

ⅴ京都の伝統産業異業種交流会(キョフー)に参加する企業とコラボし、和雑貨の商品企画・デザインと、販売促進関連のデザインに取り組むプロジェクト。

ⅵ粟田神社大灯籠制作プロジェクト。江戸時代に途絶えた「大燈呂」を一八〇年ぶりに復活させるプロジェクト。

ⅶ田の字地域活性化プロジェクト。田の字地区の魅力を再発見しアピールするワークショップを開発、実行するプロジェクト。

本イベントは2012年7月29日に開催されました。

本文中の役職、肩書き、固有名詞、その他各種名称等は全て取材時のものです。

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